① 脂性・過剰な皮脂分泌による思春期ニキビタイプ

10代の成長期には、性別に関わらず男性ホルモンの分泌が増加します。男性ホルモンは毛穴の奥にある皮脂腺の機能を活性化させるため、毛穴から皮脂が過剰に分泌されることに。

すると、過剰分泌された皮脂によって毛穴の出口が詰まってしまい、毛穴の中でニキビの原因菌（アクネ菌）が増殖。炎症が起こりニキビとなって現れるのです。

思春期ニキビタイプには、以下のような特徴が挙げられます。
・10代に多い
・顔全体にできやすい
・脂性肌

② 乾燥・ターンオーバーの乱れによる大人ニキビタイプ

思春期ニキビとは異なり、20代以降、主に頬から口周り・アゴにかけてのUゾーンやフェイスライン、首にできやすいのが大人ニキビです。

大人ニキビの原因は特定できず、様々な要因が合わさっています。主に、誤ったスキンケアや保湿不足などによる肌の乾燥、メイクの洗い残し、マスクによる摩擦・刺激、不規則な生活習慣やストレス・睡眠不足などによるホルモンバランスの乱れ、などが挙げられます。

これらの要因による肌のターンオーバーの乱れによって肌本来のバリア機能が低下。古い角質が自然に剝がれ落ちず蓄積し、角質肥大によって毛穴の出口が詰まってしまい、（思春期ニキビと同様）炎症によるニキビが発生するのです。
大人ニキビタイプには、以下のような特徴が挙げられます。
・20代以上、年齢に関わらない
・口周りやアゴ、フェイスラインにできやすい
・脂性肌、乾燥肌の両方

① クレンジング・洗顔料は汚れを落として潤いは残す

大人ニキビに悩む方の多くは、毛穴汚れやべたつく皮脂を落とそうと、洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を選びがちに。

ですが、大人世代のニキビの場合、肌表面はべたつくのに肌自体は乾燥している「インナードライ肌」になっている可能性が高いのです。

というのも、肌が乾燥していると、角層と皮脂膜が担うバリア機能が低下。そこで肌は外部刺激が肌へ侵入するのを防ぐために、毛穴から皮脂を過剰分泌して皮脂膜を維持しようとするためです。

そのため、クレンジングや洗顔料で肌の潤いまで落としてしまうと、反対に皮脂の分泌量が増えて、水分・油分バランスが崩れてしまいます。

そこでニキビケアとして重要なのが、「余分な汚れは落としつつ、潤いはきちんと残す」クレンジング・洗顔料を使用すること。

たとえば毛穴に詰まった汚れを吸着する「クチャ（クレイ、泥）」や、保湿成分の「セラミド」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」「スクワラン」「グリセリン」などが配合されたアイテムを使用すれば、肌に乾燥の負担をかけずに毛穴の詰まりにアプローチできます。

② 化粧水は保湿＋肌荒れ予防成分配合のものを

バリア機能が低下し、肌内部の水分が蒸発しやすくなっているインナードライ肌には、「セラミド」「ヒアルロン酸」「コラーゲン」などの保湿成分配合の化粧水で、外から潤いを与えることが重要です。

さらに、炎症を起こしやすいニキビ肌には、肌荒れ予防作用が期待できる成分が配合されているかがポイントに。たとえば、古くから肌荒れ予防に使用されている成分「グリチルリチン酸ジカリウム」をはじめ、「アラントイン」「グリチルリチン酸ステアリル」といった肌荒れ予防・整肌成分配合の化粧水を選びましょう。

③ 美容液・クリームでビタミンC誘導体をプラス

誤ったスキンケアで乾燥スパイラルに陥っている大人ニキビ肌には、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分配合の美容液やクリームで、優しく保護するのは必須です。

さらに、大人ニキビ肌におすすめの成分が「ビタミンC誘導体」。ビタミンC誘導体とは皮脂バランスを整えたり、肌リズムを整えたりする美容成分のこと。

ビタミンC誘導体の中でも、オイルに馴染みやすいため美容液やクリームに配合される「油溶性ビタミンC誘導体」（※）は刺激が少なく保湿性があるため、乾燥しがちで敏感に傾いた大人ニキビ肌におすすめです。

※テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルなど

④ エタノールなど刺激のある成分は極力避ける

スキンケアアイテム全般で注意すべき点は、「刺激のある余分な成分」無添加・無配合のアイテムを選ぶこと。

大人ニキビ肌は複雑な要因によって引き起こされおり、バリア機能が低下している状態です。そのため、たとえば皮脂除去効果を求めてエタノール配合のアイテムを選ぶと、その刺激によって肌にダメージを与える可能性が否めません。

そのほか、合成香料・着色料などは、肌への負担になる可能性があるため、極力避けるようにしましょう。